日本犬について

このページでは、日本犬の特徴や基本的な情報、当法人が主催する展覧会(日本犬フェスタ)や会員募集情報などについて紹介していきます。

日本犬とは?

日本人の祖先の縄文人と共に山野に獲物を求め活動し、7000年もの永きに渡り人間の良き伴侶として現在に至った日本犬。立耳に巻尾か差し尾を特徴とし、大型(秋田犬)中型(四国犬・甲斐犬・紀州犬・北海道犬)小型(柴犬)が存在します。

いずれも、国の天然記念物に指定され、未来永劫に保存されることが望まれる犬種です。日本犬は悍威・良性・素朴で表現されると言えます。

※豆柴は天然記念物ではありませんが、60年程前から「小型の柴犬を固定化して派生した犬種」として、豆柴についても、愛好家の交流や飼育法の普及をしたいと当法人では考えております。

 

柴犬(しばいぬ)

柴犬は、日本犬の中で唯一、小型犬に分類されます。毛色は「赤」「黒」「胡麻」「白」があります。キビキビと元気に動き、飼い主に忠実でしつけをすれば無駄吠えも無く、狩猟犬の血をひく日本犬らしい犬種です。

なお、柴という名前には、雑木という意味が込められています。昔話で「お爺さんが柴刈りに行き~」という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思います。

また、柴という言葉には「小さい」という意味もあると言われています。小型の日本犬である柴犬に、ちょうどいい名前のように感じます。

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ちなみに、柴犬から作出された犬種として、①小型の柴犬同士を何代も掛け合わせた「豆柴(目が精悍な印象の犬が多い)」②柴犬にチワワやポメラニアンを掛け合わせた「豆柴(目が丸い犬が多い)」――が存在します。

いずれの豆柴も天然記念物ではありませんが、一般に広く普及して飼育されていることや、飼育方法が日本犬に準ずることから、一般社団法人日本犬愛護会では日本犬6種+豆柴の適正飼育普及に取り組んでおります。

秋田犬(あきたいぬ)

秋田犬は、日本犬の中で、一番大きくなる大型犬です。性格はそれぞれの犬の個性もありますが、概ねのんびりした、おだやかな犬が多いように感じます。大型犬は躾が重要ですが、愛情をもって躾けられた秋田犬は、飼い主の言うことをよく聞く忠犬になってくれます。

ちなみに、「忠犬ハチ公」のモデルは秋田犬なのですが、そう伝えると「ずっと柴犬だと思っていた!」と驚く方も少なくありません。その他、南極物語で有名な「タロとジロ」は樺太犬なのですが、秋田犬と間違えて覚えている方もいます。

忠犬ハチ公=秋田犬ですので、覚えていてくださいね。

甲斐犬(かいけん)

甲斐犬は、中型の日本犬です。日本犬の多くは「〇〇いぬ」と呼びますが、甲斐犬は「かいいぬ」ではなく、「かいけん」と呼びます。「かいいぬ」と呼ぶと「飼い犬」と間違えやすいためです。

甲斐犬は、山野で猪や鹿などの獲物を追いかける本能を強く持つため、訓練すると狩猟犬としてだけではなく「山岳遭難者を見つける救助犬」や「地震などで倒壊した建物から被災者を探し当てる探索犬」として、非常に優秀な能力を発揮してくれます。

毛色には「黒虎毛」「中虎毛」「赤虎毛」があり、虎毛は山野で狩りをするときの保護色になります。群れのリーダーに忠実な賢い犬なので、子犬の頃からしっかりと躾をすることで優秀なパートナーとなってくれます。

四国犬(しこくいぬ)

四国犬は、中型の日本犬です。

国の天然記念物に登録される正式名称では「土佐犬」ですが、闘犬に使われていた土佐闘犬とは別の犬種です。多くの方が間違えやすいので、一般的には「四国犬」という呼び方が使われています。

飼い主にとても忠実な犬ですが、群れの外の人や犬には警戒心が強いため、四国犬も甲斐犬や紀州犬と同様に、子犬の頃からしっかりと躾をすることが大切です。

紀州犬(きしゅうけん)

紀州犬は、中型の日本犬です。古くから猪をターゲットにした狩りに使われてきた、優秀な狩猟犬です。狩猟の際に鉄砲で誤射しにくいことや人気の偏りから、現在は「白色毛」が多い犬種ですが、「胡麻」や「虎毛」、「ぬた毛」がいます。

優秀な紀州犬は1匹で猪を倒すとも言われており、狩猟のパートナーとして非常に優秀な能力を持つ日本犬です。15㎏~20㎏までの猪なら、「鼻噛」という猪の鼻を噛んで猪を抑え込むことができたりします。

飼い主にはとても忠実な犬ですが、群れと認めた存在外の人や犬にはかなり警戒心が強いため、子犬の頃からしっかりと躾をする必要がある犬です。

しっかりと躾をされた紀州犬は、猪猟の良いパートナーになってくれます。

(春・秋)日本犬の展覧会とは?

日本全国で、愛好家や各種団体などが主催して、日本犬の展覧会が開催されています。秋田犬や柴犬などの飼育者数が多い犬は、単犬種での展覧会もあります。

日本犬愛護会でも、春と秋に「日本犬フェスタ」を鹿児島市の「鹿児島健康の森公園」で毎年開催しています。一般の方の入場料は無料。日本犬を展覧会に出陳される当法人の会員のみ、参加費が1頭ずつ必要です(参加賞や賞状などがあります。当日入会も可)。

開催情報や参加希望者の募集は、会員向けの会報誌やホームページで公開しますので、ぜひチェックしてみてください。会員のところで産まれた柴犬や秋田犬などの子犬とのふれあいコーナーや飼育相談などもあります。

日本犬の飼育相談などについて

一般社団法人日本犬愛護会では、会員やこれから日本犬を飼育してみたいという方に向けて、日本犬の飼育相談、優好犬舎(犬の繁殖者)の紹介、マイクロチップや日本犬の遺伝子病検査の仲介なども行っております。

日本犬という種を未来に残していくには、一人ひとりの愛犬家が「日本犬を適切に飼育していく」ことが大切です。

日本犬に興味がある方、飼育している方、お気軽に日本犬愛護会へご連絡下さい。